「英語を始めたい。でも、何から手をつければいいかわからない」
「アプリを入れてみたけれど、なんだか続かない気がする」
「この年齢から始めて、本当に話せるようになるのかな」
そんな気持ちで立ち止まっていませんか。
実は、40代・50代の方が英会話で挫折してしまうのは、記憶力の問題でも、年齢のせいでもありません。多くの場合、始める順番が違っているだけなのです。
私自身、45歳で英会話を始めてから、何度も遠回りをしました。試行錯誤を重ねながら49歳で英検準1級を取得し、今では外国人講師とのフリートークも楽しめるようになりました。
この記事では、その経験をもとに「もし今の私が最初からやり直すなら、この順番で始める」という3ステップをお伝えします。
40代・50代がやりがちな「3つの遠回り」
まず、多くの方がはまりやすい落とし穴を3つお伝えします。
遠回り① アプリで「やった気」になってしまう
40代・50代の方のお話を聞いていると、とても多いのがこのパターンです。「まずDuolingoを始めてみました」という方は非常に多く、取っかかりとしては悪くありません。ゲーム感覚で英語に触れる習慣がつくという意味では役立ちます。
ところが、しばらく続けるうちにこう感じる方がほとんどです。「継続日数は増えているのに、話せるようになっている気がしない」と。
アプリは「今日も英語をやった」という達成感を手軽に得られます。そこが良いところでもあり、落とし穴でもあります。英会話ができるようになるためには、声に出すこと、実際に使うこと、うまく言えなかったことをまた練習することが必要です。アプリは入口にはなりますが、それだけでゴールまで連れていってくれるわけではありません。
遠回り② 「まず文法をやらなきゃ」と参考書を開く
「英会話を始める前に、まず文法をちゃんとやらないといけない」
そう思って、本屋さんで参考書を買ったことはありませんか?
インターネットで「40代 英語 始め方」と調べると、「まず中学英語からやり直しましょう」という情報が大量に出てきます。それを見て、中学英語のテキストを買ってみた方も多いのではないでしょうか。
気持ちはとてもよくわかります。学校で「英語=文法を覚えるもの」として学んできた私たちにとって、文法から入るのはごく自然な発想ですし、「基礎からやり直す」というのも、一見とても正しそうに聞こえます。
でも、ここに落とし穴があります。
中学英語は3年分あります。テキストを開いてみると、思っていたよりずっと内容が多い。しかも文法の学習はどうしても単調になりがちで、「覚えなければいけない」というプレッシャーが続きます。結果として、テキストを1冊終える前に息切れしてしまう方がほとんどです。
何週間も文法を「勉強」しているのに、一度も英語を声に出して話していない。そんな状態になってしまうのです。
英会話に文法の知識がまったく不要というわけではありません。ただ、話すために必要な文法は、思っているよりずっと少ないのです。「今のことを話す・過去のことを話す・これからのことを話す」という基本の3パターンさえ口から出るようになれば、簡単な日常会話はできます。中学英語を3年分すべてマスターしてからでないと話せない、ということはないのです。
「文法が不安だから、もう少し勉強してから」と思っているその時間が、実は一番もったいない時間かもしれません。
遠回り③ 準備なしでオンライン英会話に飛び込む
私自身が実際に経験した遠回りがこれです。45歳のとき、「とにかくレッスンを受け続けていれば、そのうち慣れるはず」と思ってオンライン英会話を始めました。初回レッスンは大量の汗をかいて、何を話したかもよく覚えていないくらい頭が真っ白になりました。
それでも週1回のレッスンを1年間続けました。しかし1年後、英語を実際に使う場面でほとんど話せなかったのです。レッスンは受けていた。英語にも触れていた。でも、話せるようにはなっていなかった。
今振り返ると、理由はシンプルです。話す前に必要な土台がないまま、実戦の場に立ち続けていただけだったからです。
オンライン英会話は気軽に見えて、実はかなり実戦寄りです。その場で話題を考え、相手の言葉を聞きながら、英語を組み立てて返す必要があります。土台がないままそこに立つと、慣れる前に自信だけが削られてしまいます。でもそれは、向いていないからでも、年齢のせいでもありません。ただ、出会う順番が違っていただけなのです。
挫折しないための正しい3ステップ
では、正しい順番とはどういうものでしょうか。私が遠回りした経験を踏まえて、今からやり直すならこの3ステップで進めます。
ステップ1:まず「自分のことを話す準備」をする
いきなりオンライン英会話に飛び込む前に、まず自分のことを少し話せる状態を作っておきます。
名前や趣味を英語で言うだけなら、文法を完璧に勉強しなくてもできますよね。まずはそれを実際に声に出して練習しておくだけで十分です。
次に少しだけ広げるとしたら、「昨日何をしたか」「今日何を食べたか」「明日何をするつもりか」といった日常のことを英語で言えるようにしておくこと。過去のこと・今のこと・これからのことを自分の日常に当てはめて、声に出して練習しておく。それだけで、オンライン英会話の最初のレッスンはずいぶん変わります。
また、「もう一度言ってください」「ゆっくり話してください」といった基本のフレーズも先に準備しておくと安心です。
文法の「勉強」をするのではなく、自分のことを話すための練習をする。この順番が大切です。
ステップ2:「完璧じゃなくていい」を先に決める
40代・50代の方は、学校教育の影響もあって「正しく言うこと」に意識が向きがちです。「文法が間違っていたら恥ずかしい」「ちゃんと言えないなら話せない」、そう思っているうちは口がなかなか開きません。
でも、英会話はテストではありません。文法が少し崩れていても、単語だけでも、伝われば会話は進みます。完璧じゃなくていい。まずは伝わればいい。 この前提を最初に決めておくだけで、英会話はぐっと始めやすくなります。
ステップ3:オンライン英会話は「少し話せる」ようになってから
少し土台ができたら、そこで初めてオンライン英会話に進みます。簡単な自己紹介ができる、よくある質問に少し答えられる、聞き返すフレーズが使える、そのくらいの準備があるだけでレッスンはかなり変わります。
そしてここで大事なのは、オンライン英会話を「それだけで話せるようになる場所」にしないことです。オンライン英会話は使う場です。フレーズをインプットして声に出して練習し、レッスンで使ってみて、うまく言えなかったところをまた練習する。この流れを回していくことで、少しずつ話せる力が育っていきます。
💡 話せるようになるための学習法:チャンクを使う
3つのステップと合わせて、ぜひ知っておいてほしい学習法があります。それがチャンクという考え方です。
英会話の初心者の多くは、話そうとするときに頭の中で日本語を英語に「翻訳」しようとします。「えーと、私は…I am…趣味は…hobby is…」と単語を一つずつ並べようとするのです。でも実際の会話はそんなにゆっくり待ってくれません。考えているうちに頭が真っ白になってしまう、というのはまさにこれが原因です。
チャンクとは、意味のある言葉のかたまりのことです。たとえば、
- I’m going to〜(〜するつもりです)
- I used to〜(昔は〜していました)
- Let me〜(〜させてください)
- I’m not sure, but〜(はっきりはわかりませんが〜)
このようなフレーズのまとまりをそのまま口から出せるようにしておくと、単語を一つずつ並べるよりずっとスムーズに言葉が出てきます。翻訳するのではなく、かたまりごと体に馴染ませてしまうイメージです。
私はこの考え方に学習3年目にようやく出会いました。それまでは単語を一つずつ並べようとしていたので、いつも頭の中がパンクしていました。チャンクを意識するようになってから初めて「口から出やすい」と感じられるようになったのです。もし最初からこれを知っていたら、と今でも思います。
ステップ1で自分のことを話す練習をするときも、文法を覚えようとするよりも、よく使うチャンクをいくつか口に馴染ませることから始めるのがおすすめです。
💡 補足:アプリは「補助」として使う
遠回り①でアプリの落とし穴をお伝えしましたが、アプリをまったく使わない方がいいというわけではありません。私自身も学習2年目からアプリを1年以上使って、とても助けられました。「今日はこれをやればいい」と示してくれるので、迷わず進められたからです。
大切なのは、アプリを主役にしないことです。アプリはスキマ時間の学習や習慣づくりには向いています。でも、それだけでは話せるようにはなりません。あくまで補助として位置づけるのがおすすめです。
順番が変わると、景色が変わる
40代・50代からの英語学習が続かないのは、記憶力の問題でも、向き不向きでもありません。多くの場合、ただ出会う順番が違っていただけです。
正しい順番で進めていくと、少しずつ確実に世界が広がっていきます。海外旅行先で現地の人と直接やり取りできたとき、外国人の方に自然と英語で話しかけられたとき、「英語って楽しいな」と思えたとき、英語は勉強ではなく自分の世界を広げる道具になっていきます。
45歳の私には想像すらできなかった景色が、今は日常になっています。
「何から始めればいいかわからない」「また続かなかったらどうしよう」と思っている方は、まず自分に合う順番を知ることからで大丈夫です。
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